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2011年3月号vol.404

今月のタイムス
MONTHLY SPECIAL

春から使える!「できるノート」術
「理系嫌い」を克服するには
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特集1




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「理系嫌い」を克服するには

「算数・数学嫌い」「理科離れ」が叫ばれるようになってずいぶん経ちます。
近年では、小学生や中学生から高校生、さらには大学生まで、理系科目を中心に「学力低下」が問題となっています。昨年「クロスカップリング」という業績で、根岸英一、鈴木章の両氏が受賞したノーベル化学賞。これまでに7名の日本人受賞者が誕生していますが、将来は主に韓国やインド、中国など、他のアジアの国々から受賞者が出てくるだろうとも言われています。なぜ、多くの人が「理系嫌い」になってしまうのでしょうか。

「算数・数学嫌い」「理科離れ」はいつから?

「嫌い」「苦手」意識は小学校高学年から?

Benesse教育研究開発センターが行った2007年の意識調査で、ある興味深い結果が出ています(9ページグラフ参照)。小学生を対象に「あなたは算数の勉強がどのくらい好きですか(全学年)」、「あなたは理科の勉強がどのくらい好きですか(3〜6年)」の質問をしたところ、算数・理科ともに「好き」(「とても好き」+「まあ好き」)の比率が、学年が上がるごとに減少したのです。算数では、1年生の83.5%が「好き」と回答したのに対し、6年生では63.6%にまで落込んでいます。特に小学3年生から4年生にかけて急激に「好き」が減少し、特に女子の苦手意識が高いのがわかります。理科でも同様の傾向が見られました。小学校中学年以降「嫌い」「苦手」の意識が芽生ばえる児童が多いようです(*1)。
こうした苦手意識を持った子どもが、中学へ進学してつまずくのではないかと、こ
の調査では推察しています。

*1…「国語(全学年)」「社会(3〜6年のみ)」についても同様の質問を行った。国語の「好き」の比率は算数、理科と同様、学年ごとに減少傾向にあり、特に男子の苦手意識が顕著だった。社会の「好き」の比率は4年、5年と減少するものの、6年になり全体的に回復している。


算数が「苦手」な理由

同調査では、計算力を試す問題も出題されました。その結果、平均点以上を取った子どもと、平均点未満の子どもとでは、算数を「好き」と回答した比率に差があることがわかりました。全学年の回答を集計した結果、平均点以上の子どもが算数を「好き」と答えた比率は81.8%であるのに対して、平均点未満の子どもは56.0%。そして、平均点未満の子どものうち、小学3年生から4年生にかけて「好き」の比率が、68.8%から、50.2%にまで減少しているのです。小学校中学年の時期に、計算力の低い子どもが算数を「嫌い」「苦手」と感じるようになるのかもしれません。
算数が好きではない子どもは、「計算が正しくできてうれしかった」経験が、「好き」と回答した子どもに比べ、著しく少ないという結果も出ています。一方で「むずかしい問題がとけるとうれしい教科」の第1位は算数(*2)であり、その比率は全体の62.3%であることも、同調査の結果として出ています。しかも、算数に苦手意識がある女子のほうが、できた時のよろこびが大きいというのです。
計算力を養い、問題を正しく理解して解くよろこびを経験することが、算数・数学嫌い克服のカギとなりそうです。

*2…小学3年生〜6年生への質問。国語、算数、理科、社会の4教科を回答の対象としている。

理科でのつまずき

また、同調査では、小学3年生から6年生のうち、理科が「ふだんの生活に役立っていると思う教科」であると答えた子どもは、全体の10.7%しかいないという結果が出ました。科学技術の進歩が経済成長につながると信じ、理工学系の大学を目指す若者が多かった数十年前とは変わってきているようです。
さらに、2007年に実施された『国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2007)』では、中学2年生を対象に「希望の職業につくために良い成績を取りたいか」という質問をしています。これに対して、良い成績を取りたいと答えた生徒は、数学で57%、理科にいたっては45%という低い値を記録しました。国際平均が数学82%、理科72%であることを考えると、危機的状況と言ってもいいかもしれません。
理科が生活にどう役立っていて、これからの社会をどう支えていくのかを考えることが、理科離れを回避するキーワードになりそうです。

算数・数学編
〜克服のポイントは「やり直し」学習にあり〜

「解きっぱなし」では上達しない

授業や宿題で、算数や数学の問題を解きます。学年が上がるにつれ、中学生になれば特に、多くの問題をこなさなければなりません。しかし、解くことにばかり一生懸命で、その後のフォローがおろそかになりがちです。間違えた問題、理解不足の問題を放っておくと、成績アップにはつながりません。間違いはすぐに(なるべくその日のうちに)見直して、なぜ間違ったかを分析するようにしましょう。そして、見直す際には、必ず問題をやり直してください。算数や数学の問題は、ノートをさっと見返すだけでは頭に入らないものです。テストまでに最低3回はやり直すことをおすすめします。間違った問題は、繰り返し解いて覚えるようにしましょう。自分がまだ理解できていない単元を、しっかり認識しているかどうかも大切です。
解けなかった問題ができるようになると、とてもうれしいもの。こうした「うれしい」と思う経験を積み重ねることが、苦手意識克服への近道なのです。

先生や家の人など誰かと一緒に考える

自己学習だけではどうしても限界があります。どうして間違ったのかわからない時は、塾の先生や家の人に聞いてみましょう。誰かと一緒に考えるとき、問題を口に出してみたり、絵や図を書いて考えてみたりしませんか? こうした作業は、実は物事を順序立てて考える練習になります。
2010年に実施された「平成22年度全国学力・学習状況調査」の結果では、小
学生、中学生ともに「日常的な事象について、筋道を立てて考え、数学的に表現すること」に関する問題の正答率が極めて低く課題であるとされています(*3)。「式の立て方がわからない」、「方程式の文章題を解く手順がわからない」などという場合は、一人で考え込まず、身近な人からアドバイスをもらってください。特に、塾は最大限に活用しましょう。学校の授業でわからなかったことは、遠慮せず塾の先生に質問してください。学校の授業のペースを、塾の先生に知ってもらういい機会にもなりますね。

*3…調査は全国の小学6年生、特別支援学校小学部第6学年、中学校3年生、中等教育学校第3学年、特別支援学校中学部第3学年を対象としている。「日常的な事象について、筋道を立てて考え、数学的に表現すること」に該当する問題の正答率は、小学生14.9%、中学生10%となっている。

整理されたノートが成績アップへの近道

「効果的なやり直し学習」を実践するためのコツは、ずばり丁寧なノートづくりです。
整理されていないノートは、見返したくなくなりますし、解けなかった問題を探し
出すのにも苦労するので、「解きっぱなし」の原因にもなります。美しい文字である必要はありません。いくつかのルールを守るだけで、誰でも簡単に効果的なノートをつくることができます。
左のノートを見てください。これは小学4年生で学習する「小数のたし算」の計算
ノート例です。ここでのルールは5つです。
@日付を書く…「いつ学習したのか」がはっきりわかるようにします。
A単元を書く…「どこの部分を学習したのか」がはっきりわかるようにします。
B小数点をそろえる…「=(イコール)」もそろえるようにしましょう。
C計算式の間はあける…ポイントなどを書き込むスペースを確保しましょう。また、式の間をあけることで、ノート全体も見やすくなります。
D「間違い直し」をする…なるべく同じページで間違い直しができるように、下部分はあけておきましょう。
この他にも、途中式は省略せずにきちんと書く、図形を丁寧に書く、などのポイン
トに注意してノートづくりをしてみましょう。
中学生や高校生の皆さんは、2ページからの特集@「できるノート術」も参考にしてみてください。


理科編
〜「なぜ?」と思ったことを追求する〜

「理科離れ」ではない?

小学生の理科好きの減少を指摘しましたが、この傾向は、理科に限らず、他の教科にも言えることであり、先ほどは全体的に学習への意欲が低下しているというデータの一部を示したにすぎません。しかし、理科に対する意欲の低下や苦手意識が、他の教科と比べて低いことも事実です。長引く不況の中、国から充分な保障を得られない企業が、海外に工場を移転させる。海外で賃金の低い労働者を雇い、その労働者へ日本の技術が伝わっていく。そして将来、日本がこれまで世界一と賞 賛されてきた各分野の技術力は、他の国々に追い越 されるのではないか、と懸念する声もあります。こうした状況と、近年、理系志望の学生がゆるやかに減少しているという状況が要因となり、「理科離れ」という言葉が注目されているのかもしれません。
しかし、一方で、ベネッセの2007年の意識調査では、「新しいことを知ること
ができてうれしい教科」、「いろいろな考え方ができておもしろい教科」という質問で、理科はともに第1位を獲得
しています(ともに小学3年〜6年が対象)。また、TIMSS2007の結果でも、採点結果は小学生世界第4位、中学生世界第3位と、いずれも上位をキープ(*4)。理科への興味は、実際の生活にどう役立っているのか、将来の職業にどう結びつくのかなどを知ることで、もっと育てることができるのではないでしょうか。

*4…小学生理科は第3位の香港と有意差なし。中学校理科は第2位の台湾と有意差なし。

「自主学習ノート」のすすめ

そこで、特に小学生と中学生におすすめしたいのが「自主学習ノート」です。授業で疑問に思ったこと、もっと調べてみたいと思ったことなどをまとめてみましょう。学校によってはすでに実施しているところもあるようですし、理系の学部を選んだ大学生の中にも、これと同じような方法で、知識を増やしていたという人もいます。本や図鑑 、インターネットで調べたり、実物を観察したり、詳しい人に取材をしたり、様々な方法を使って情報を集めてみましょう。
家庭学習でおすすめしたい「自主学習ノート」を、左に紹介します。
@タイトルを書く…「何について調べたのか」を書きましょう。
A日付を書く…「いつ調べたのか」を書きましょう。実際に動植物を観察した時は、その日の天気も書いておきましょう。
B調べようと思ったきっかけを書く…どうしてこのテーマに興味を持ったのかを書
きましょう。
C調べたことを書く…本や図鑑、インターネットなどを使って調べたことを書きま
しょう。
D実際に見たことを書く…実際に見たり触ったり聞いたりしてわかったことや、感想などを書きましょう。写真を貼ったり、絵を描いたりすると、よりわかりやすくなります。
E感想をもらう…調べたことについて、先生や家の人に発表してみましょう。感想をもらうと、次の自主学習への意欲もアップします。
自ら調べ、調べたことをまとめるこの作業は、理科への興味を育てることにつながります。また、上手に考えをまとめる練習にもなりますので、国語や算数・数学、社会科の文章題を解く力を養うこともできます。もちろんこの「自主学習ノート」は、理科以外の教科にも応用が可能です。

博物館へ行こう

自主学習、調べもの学習などでわからないことがあれば、先生や家の人に、遠慮せず聞いてください。調べたいテーマについて扱っている博物館に行くのも有効です。
博物館には、その分野のプロである学芸員や、ボランティアの方々がいます。展示してあるものについてはもちろん、どうやったら調べられるのか、参考になる資料はあるのかなど、本や図鑑、インターネットだけではわからない情報を教えてくれます
博物館が主催する実験教室や野外学習イベントに参加するのもおすすめです。




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